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以下は第3回締約国会議の宣言(マナグア宣言)の全文である。

国連プレスリリースNo.005
2001年9月21日
訳:星野太郎(東京YMCA国際奉仕センター)

対人地雷全面禁止条約第3回締約国会議(TMSP)宣言

1.対人地雷の使用、貯蔵、生産及び移譲の禁止並びに廃棄に関する条約締約国の我々とその他の国々、国際団体研究機関、NGOは、ニカラグアのマナグアに集まり、対人地雷の廃絶と陰湿かつ非人道的なこれらの武器による影響に立ち向かう揺ぎ無い約束をここに再び主張する。

2.アメリカ大陸における最も深刻な地雷被害国のひとつであるニカラグアでの会議で、我々はこの武器による個人やコミュニティーへの破壊的な影響の証人となる。また我々は、ニカラグアの人々や数え切れない世界中の人々が直面しているこの問題に立ち向かう我々の働きの重要性を証明する。我々は目標を達成するための今までの意義ある歩みと、そして地雷なき世界へ向けた我々の長い旅路を再認識する。

3.120カ国により承認または批准されたこの条約への発展するサポートを我々は祝う。まだ批准はしていないが新たに21カ国の調印で現在の調印国は141カ国となり、それには40カ国以上の地雷埋設国が含まれている。我々は未批准国に承認または批准を呼びかける。また条約にある義務を公式に受け入れる過程にある全ての国々に、暫定的に条約の条件を適用するよう呼びかける。

4.多数の未加盟国による条約内規定への尊敬ある行動を含め、条約の実施における成功の記録は、条約による新たな国際的基準が構築さていることを示すものと我々は認識する。これは28ヶ国による貯蔵対人地雷の完全廃棄と、19の締約国が貯蔵対人地雷の廃棄過程にあるということを含む。さらに地雷被害国自身による資金に加え、最大22,000万ドルの寄付が世界的な地雷問題のためこれまでに充てられている。

5.これまでにかなりの数の対人地雷が除去されたこと、世界の最も地雷被害が深刻な国での地雷死傷率が減少したこと、地雷犠牲者への支援が改善されたこと、また我々の協力的な努力がこの進展に貢献し続けていることに我々は満足している。

6.対人地雷が人間を殺し続けていること、毎日数え切れないほどの人々を働けなくし脅かし続けていること、地雷の恐怖が人々の生活の再生を妨げていること、そしてこれらの武器が持ち続ける影響力が、紛争が終わってしばらくしてもコミュニティーを再生する機会を認めていないこと、この条約の成功を祝う一方で我々はこれらのことを深く憂慮する。

7.我々は対人地雷のいかなる使用にも悲しみを覚える。これらの行動は条約の目的や目指すところに相反するもので、すでにこれらの武器使用によって引き起こされた人道的な問題を悪化させるものである。我々は、対人地雷を使用、開発、生産、または獲得、貯蔵、保有または移譲を続ける者たちに対して、迅速な中止とこれら武器の根絶のための我々の働きへの参加を強く促していく。

8.条約の目的と目指すところに賛同を宣言した国の中で、対人地雷の使用を続けている国が、厳粛な取り決めへの明確な違反であると認識することを我々は期待する。我々は全ての締約国に取り決めの尊重を呼びかける。

9.条約の全ての義務への完全な承諾を確保する必要性を認識し、我々は条約を効果的に遂行しまたその条項へ完全に従うという取り決めを再び主張する。我々は、この過程の特徴となる協働と協力の精神のもとにこれを行う。これに関連し、我々は最大4年という貯蔵された対人地雷の廃棄期日が、多くの締約国にとって急速に迫ってきていることを再認識する。また我々は出来る限り早く、この条約の発効から10年経過する前に、各締約国が条約の権限またはその管理のもとで、責任をもって地雷埋設地域における対人地雷の破壊、または廃棄を確実なものとすることを再認識する。我々はこれらの義務を果たすための国家または地域的、国際的なイニシアチブを奨励する。

10.我々は政府や全ての人々に、課題を共有すること、犠牲者への支援を含む地雷廃絶運動への大きな挑戦と向き合うこと、必要とされている技術的・経済的支援を必要とされているところへ提供すること、そしてこれらの成果をさらなる進展のための計画と事業に盛り込ませていくことを呼びかける。対人地雷の廃絶を目指す締約国として我々は繰り返す。地雷廃絶の実際的な活動への支援や協力は主として条約の承諾、実施、遵守を通してこれらの武器を永遠に使用禁止した国々に注がれていく。

11.この比類なき重要な人道的手段である取り決めを達成するために、世界中でたゆみなく働き続けなければいけないことを我々は認識する。対人地雷の使用を終わらせるために、貯蔵された地雷を廃棄するために、これらの武器の生産や移譲、開発を止めさせるために、地雷原から地雷を取り除き死にとらわれた土地を解放するため、犠牲者の尊厳ある生活の再生を支援し、新たな犠牲者をうまないために。

12.対人地雷のない世界へ向けた取り組みは、条約が築いた国際的な基準に沿ってそれらの使用を中止または放棄するために、非政府の活動家たちによって作られたことを我々は認識する。

13.我々はインターセッショナルワーク(締約国会議間活動)における大きな前進をあたたかく歓迎する。このプログラムは、国際的なコミュニティーの地雷廃絶運動の成果に焦点をあてまたそれを進展させていく。それは条約を遂行していくという我々の共通の目的への大いなる支えとなり、さらに地雷埋設国やその他の国々が経験を分かち合い、知識を得、国家レベルでの条約遂行の成果を高めていくための意見交換の場を提供する。インターセッショナルワーク(締約国会議間活動)は条約の伝統的な協力関係、対話、また開かれたそして実際的な協力によって実現されたことに我々は満足している。我々はインターセッショナルワーク(締約国会議間活動)の地雷被害国の参加が増加したこと、またスポンサーシッププログラムの様々な貢献を歓迎する。

14.米大陸諸国が設定する、出来る限り早く西半球を地雷のない地域へ、という目標への挑戦の重要性を認識する。この事は条約を普遍的で完全な効力あるものとする決定的な要素となり、この目標を達成することは、世界にとって条約の影響力を示す例となり、他の地雷埋設地域への励ましともなる。

15.締約国間活動が進展していく上で、我々は達成されたものを積み重ね、その成果を強調し、条約を実行するための手段を各国および関連する国際的な活動者たちに提供していくことに焦点を当てていかなければいけない。我々は地雷埋設国および関係国、その他の関連活動者たちのインターセッショナルワーク(締約国会議間活動)への活発な参加を促し続けていく。

16.締約国間活動のプロセスを力づけ、また活動の調整を担当する調整委員会による積極的な働きを我々は認め感謝する。

17.締約国会議によって設けられた常設委員会の働きへ、各締約国が参加しつづけるよう我々は呼びかける。

18.ICBL、他の関連NGO、赤十字国際委員会などの国際的なまた地域の団体に対して、条約の強化と全面的な実施、締約国間活動への重要かつ多大な貢献への感謝を表す。また我々は地雷除去、教育、犠牲者支援、廃棄やその他の成果をあげた全ての機関にも感謝する。

19.ジュネーブ人道的地雷除去センターによる必要な支援と、実働部の設置を通しての締約国間活動への支援拡大の約束に我々は感謝する。

20.我々の進展と成し遂げたものを振り返り、さらに我々の前に置かれた働きを考え、我々は対人地雷を過去の産物とするという信念と、この脅威の犠牲となった人々を支援する義務と、地雷除去作業の奉仕や人道的支援をしていた結果命を奪われていった人たちを含め、これらの武器使用によって失われた命を覚える責任とを再確認する。